近年、日本人にも加齢黄斑変性が増えてきていますが、予防のためにはブルーライトの対策も重要になってきます。
以下にそのあたりについて記述します。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへいせい)は、視野の中心部が見えにくくなる目の病気です。
これまで、日本人がこの病気に罹る比率はかなり低く、白内障や緑内障に罹る比率の方が高めでした。
逆に欧米人では罹る比率が高く、欧米では失明する原因の大きな1つとされています。
近年、日本人にこの病気が増えてきているのは、欧米の生活スタイルが日本に定着してきているからではないかと考えられています。
肉食が多くなり野菜の摂取量が少なくなったことに加え、テレビやスマホ、パソコンなどの利用時間が増えてきていることなどが背景にあると考えられます。
加齢黄斑変性はその名のとおり、加齢(50代以上において)が起因になる病気ですが、近年、発症年齢の低下が懸念されています。
この病気の大きな特長は、視野の中心部に異常が現れることです。
視野の中心部がゆがんで見えたり、くもって見えたりします。
眼球の奥にある網膜の中心部には、視力を司る黄斑という箇所がありますが、この箇所に異常(活性酸素による細胞の破壊)が起こることで、この病気が発症します。
なにより、早めの発見と治療は不可欠です。
この病気の発症につながりやすい生活要因としては、
1.目の酸化を防ぐビタミンCや亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンなどの栄養素が不足している。
2.喫煙の習慣がある。
3.太陽光にさらされる時間が多い。
4.電気製品から発する光を見る時間が多い。
などがあります。
1~3への対策は白内障の予防と共通します。
3、4については、波長が短いブルーライトという光によるものです。
ブルーライトは、太陽や、青色LEDが使われている電気製品(テレビの画面、スマホの画面、パソコンの画面、白色LED照明など)から放射されています。
紫外線は、水晶体にまでしか達しませんが、
ブルーライトは、水晶体を通り抜けて奥にある網膜にまで達して、網膜細胞や黄斑に影響を及ぼすことから、加齢黄斑変性の原因になるものと考えられています。
とくに、スマホやテレビ、パソコンは、長い時間連続して使用することが多いので注意が必要になります。
よって、なるべく加齢黄斑変性を発症させないようにするには、
白内障と同じ対策を行うと同時にブルーライトによる影響を低減させることも必要になってきます。
【 注 】ブルーライトが有害であるという根拠は、小動物による実験から得られたもので、人間での実証がされたものではないので、有害性の有無については賛否があります。
当サイトでは有害性有りの考えを前提にして説明をしています。
スマホやパソコンを使用の際は、次のようにしてブルーライトの影響を減らしましょう。
(1) 画面から離れて観る。
なるべく50cm以上離して見る。(離す距離が長いほどブルーライトの影響は弱まります。)
(2) 暗い場所では見ない(まわりが暗いと瞳孔が開くのでブルーライトが取り込められやすい。)
(3) 長い時間連続して観ない。連続で見る時間は1時間までとし、15分ぐらい休んでからまた見るようにする。(厚生労働省のガイドライン)
(4) 画面の輝度を小さくする。
(5) 色の調節で青色を弱くする。
(6) 背景を黒くする。
(7) ブルーライトをカットできるサングラスや保護シートを使用する。
などです。
LED照明は、メーカーからブルーライトの影響が及ばないとされているか確認しましょう。
(輸入品はとくに注意する)
なるべく発症させないための対策として、白内障と同じ対策である、
喫煙を控える、ビタミン、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンを含むものを食べる、あるいは、これらの成分を配合したサプリメントを摂取する、などがよいと考えられています。
とくにゼアキサンチンはルテインよりも抗酸化力が強く、黄斑部分に多く存在するものなので、ルテインとゼアキサンチンがセットで摂れるサプリメントを選ぶようにします。
また、長時間、屋外にもいる場合は、紫外線とブルーライトの両方をカットできるメガネやサングラスの着用が便利です。
白内障の対策、サプリメントについては、こちらを参照ください。
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