目によいカロテノイドとしては、ルテインとゼアキサアンチンがあります。
これらは、目の中の水晶体や網膜、黄斑などに存在し、その部分に対する抗酸化作用を及ぼすので、加齢黄斑変性や白内障の予防などに貢献するものとされています。
とくに、加齢黄斑変性の対策については、ゼアキサンチンの存在が重要とされています。
以下にゼアキサンチンのことについて記述します。
ルテインとゼアキサンチンは、若い世代まででは目の中に十分に存在しているのですが、あらたに生成されるものではなく、40代~50代から減少が始まります。
そのため、40代以後の世代では、外からルテインとゼアキサンチンを補充をすることが重要になってきます。
近年、視野の中心部分が見えにくくなる加齢黄斑変性が増加していますが、この病気に関しては、ルテインよりもゼアキサンチンの方に効力があるとされています。
目の中に存在するゼアキサンチンは、ルテインにくらべると圧倒的に量は少ないのですが、視力のかなめとなる黄斑の部分には、ルテインよりも多く存在しており、また抗酸化力がルテインよりも強いことから、加齢黄斑変性の予防あるいは進行の遅延には有効と考えられています。
このようなことから、目のためにはルテインとゼアキサンチンはセットにして取り入れるべきだとされています。
ゼアキサンチンはルテインと同じく、とくに緑黄物野菜から摂取することができます。
ダントツで多く含んでいる食材は、パブリカ(オレンジペッパー)です。
他の野菜・果物類では、トウモロコシ、柿、ほうれん草も多めとされていますが、動物性では卵黄が多めです。
パプリカは生でもよいですが、ゼアキサンチンは脂溶性なので、油でいためて食べるのがよいようです。
ゼアキサンチンもルテインと同様、ある程度以上摂らないと効果が期待できない可能性があります。
アメリカ国立眼科研究所がスポンサーとなって実施された、加齢黄斑変性対策のための臨床試験(AREDS2)では、被験者の多くに加齢黄斑変性の進行の遅延が認められた、という検証結果が得られました。
また、ルテイン、ゼアキサンチンを含めた場合と含めなかった場合とでは、前者の方が後者よりも加齢黄斑変性の進行のリスクが低下したことも確認されました。
さらには副次的な評価になりますが、被験者の一部において白内障の進行リスクが低減したことも確認されました。
そして、加齢黄斑変性の対策に推奨される処方の内容は次のとおりとされました。
1日あたり
ルテイン 10mg
ゼアキサンチン 2mg
ビタミンC 500mg
ビタミンE 400IU
亜鉛(酸化亜鉛) 80mg
銅(酸化第2銅) 2mg
摂取にあたっては、
・ルテイン、ゼアキサンチンの量はこれより上回ってもOK。
・ビタミンEの量はこれより上回らないこと。
・亜鉛でも、酢酸亜鉛のような他の亜鉛については25mg以下とする。(亜鉛を過剰摂取すると消化器や尿路に障害が及ぶ恐れがある)
・亜鉛を摂る場合には、銅もいっしょに摂る必要がある。(亜鉛を摂取すると銅が失われるため)
ともされました。
推奨される処方には、ビタミンC,Eやミネラル(亜鉛)なども含めてあるため、これらの栄養素も何らかの働きかけをしていることになります。
このことから、食事においてはルテイン、ゼアキサンチンのみではなく、ビタミンC、Eや亜鉛なども意識して摂取するのがよいようです。
また、脂溶性のルテインとゼアキサンチンをいかにして多く体内に吸収させるかも重要になります。
上記の臨床試験により、加齢黄斑変性の対策には、1日あたりルテインは10mg以上、ゼアキサンチンは2mg以上の摂取が望ましいとされているようです。
しかし、毎日食事からこの量を摂取するのは困難なところがあるため、
最近では、この臨床試験結果を意識して作られたサプリメントが発売されています。
(加齢黄斑変性の予防、改善を念頭に置くなら、たとえば下にあるようなサプリメント)
ただし、サプリメントは健康食品ですので、効力を保証するものではありません。
サプリメントを使う際には生活のスタイルを正すことが前提になりますが、加齢黄斑変性は、その人の体質(遺伝子の状態)によっても、なりやすい、なりにくいがあるようです。
サプリメントが合うかどうかも個人によるところがあるようです。
改善のためにサプリメントを使う場合は、医療機関と相談するのがよいかと思います。
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